丸紅新電力×スタジオジブリ 対談 福田 知史 丸紅新電力 前代表取締役 × 鈴木 敏夫 スタジオジブリ プロデューサー

2016年3月、丸紅新電力はスタジオジブリとのコラボレーションによるプランGを発表しました。料金プランの発表会では、ゲストとしてご登場いただいたスタジオジブリの鈴木プロデューサーと、当社代表取締役の福田による対談を行いました。当社のプランGにかける想いや、鳥獣戯画のCM制作など、発表会当日の対談の様子をお伝えします。

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今回、なぜ丸紅はスタジオジブリと組んだのですか?
福田
丸紅新電力は、「国産の自然の電力」を増やそうとしています。小水力発電のほか、バイオマス発電、洋上風力発電などを手がけています。将来的には、すべての都道府県で再生可能エネルギーを開発するのが目標です。
例えば、福島県の下郷町では、森の中に小水力発電所を建設しました。「下郷町は水が豊富なので、水力発電ですべての電気をまかないたい」という町の要望に応えたものです。私たち丸紅グループには「水と緑に調和した電力を作りたい」という思いがあるのです。
そのイメージを具体的に表すにはどうすればいいか……と考えているとき、広報部からジブリさんを紹介されました。実はその後、「鈴木さんは怖い方で、はっきりものを言われる。下手をすると2~3分で門前払いもあり得る」と聞いたので、非常に緊張しながら最初の打ち合わせに臨んだんです。結果的には1時間半ほどお話ししましたね。
鈴木
全然緊張されてなかったですよ(笑)。
今回は、いろんな「縁」を感じています。まだジブリが徳間書店の傘下にあった頃に、丸紅さんと組んで映画を作ったことがありました。もう数十年前の話ですけどね。そんな縁もあって、丸紅って聞いた時は懐かしいなと感じました。
当初はテレビCMを作るだけしか考えていませんでしたが、福田さんとお話しする中で、いろいろなアイデアが出てきました。三鷹の森ジブリ美術館に電力を供給してくれるというので、宮崎(駿監督)に相談したら「それはいい会社だ」と喜んでいました(笑)。
テレビCMについては、「いつの日か鳥獣戯画を動かしてみたい」という気持ちがありました。宮崎と高畑(勲監督)も鳥獣戯画が好きなんです。僕自身、20年ぐらい前から京都を訪れるたびに高山寺に行っていて、そのお寺が鳥獣戯画を持っていた。そんな部分でも「縁」を感じました。
実は、鳥獣戯画をアニメーション化したテレビCMの話は、いろいろな会社の候補があって、いいところまで行くけどダメだったんです。偉そうで申し訳ないけど、福田さんには感心しました。その話(鳥獣戯画をアニメ化するというプラン)を聞いてから、採用を決断するまでの時間がすごく短かった。福田さんにはすごく感謝しています。
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どれくらいの時間で決めたのですか?
福田
2日間で決めました。
最初は「となりのトトロ」のような“森のイメージ”を想定していました。ただ、話をするうちに鈴木さんの鳥獣戯画に対する“熱さ”がものすごく伝わってきて、「これはいろいろ説明しても、鳥獣戯画以外はやってもらえないな」ということがすぐに分かりました。
そこで次は、鳥獣戯画と丸紅新電力をどう結びつけるかを考えました。ジブリ美術館に私の上司とその奥さんを連れて行って、上司を説得しました。
その後、鳥獣戯画を見ながら社内で意見を出し合ううちに「変えてはいけない、守るべき日本」と「古き良きものを取り入れながら、新しいものをやっていく」という点で、「150年以上の歴史を持つ丸紅」と「動く鳥獣戯画」のイメージが重なりました。
プランGの「G」はジブリの「G」であり、グリーンの「G」です。お客様が単に“電気を買う”のではなく、電気を作るのを含めて、プランGに“参加”していただいて、私たちと一緒になって、日本の目指すべきエネルギーを考えてもらえるようにしたいですね。
プランGの参加者には、発電所を見学できるようにします。私たちの発電所は、自然のど真ん中にある、美しい発電所です。これまでとは違う発電所を作りたいと思っていて、そうしたプロジェクトに出資していただくプランにも発展させていく計画です。皆さまからもいろいろな意見を出していただきながら進化させていきたいと思っています。
鈴木
本当は、ジブリの「G」にしても、そういう所に使われるのは嫌なんですよ(笑)。ただ福田さんは、自分が思ったら必ず実現するという熱い人です。
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今回のCM、音楽はピアニストの辻井伸行さんが作曲・演奏を担当しています。
鈴木
僕は以前から辻井さんの曲が大好きなんです。彼の曲の最大の特徴は、ピアノが鳴り始めた瞬間、聞いた人をハッと緊張させるところ。そこがいい。何かをしながらテレビをつけている視聴者を、思わずテレビ画面に振り返らせる力があるんです。
彼の作品には大きく分けて2つのタイプがあると思う。ひとつが「ドラマチックで情緒的な作品」、もうひとつが「リズミカルで軽快な作品」です。そこで今回は辻井さんと相談して、両方のパターンを作っていただきました。どちらを採用するかで悩みに悩んだんですが、最終的には僕の好みで、軽やかな方に決めたんです。
福田
「鳥獣戯画」のシリーズは、第2弾、第3弾と、あと2本続きます。皆さんにはウサギとカエルの“その後の物語”に期待してほしいですね。