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電気代削減に向けて企業が取り組むべき対策5選


電気代削減に向けて企業が取り組むべき対策5選

エネルギー価格の高騰によって、2024年1月から大手電力会社5社の電気料金が値上がりしました。[1]
政府は一般家庭や企業の負担軽減のため、電気、ガス、ガソリン価格の激変緩和措置を打ち出しています。しかし、2024年5月からは電気代などの値引き額が縮小されます。[2]

電気代の負担にお困りの方は、簡単にできるものから節電対策に取り組みましょう。本記事では、資源エネルギー庁が推奨する企業向けの節電対策や、電気代削減に取り組むメリットを分かりやすく紹介します。

[1]NHK:来年1月の電気料金 大手電力5社で値上がり 燃料価格上昇受け

[2]資源エネルギー庁:電気、ガス、ガソリンへの負担軽減策を引き続き実施します。

 

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<目次>

1.企業が電気代削減のために行うべき対策

2.電気代削減による企業のメリット

3.電気代削減が必要な理由や重要性

4.【まとめ】5つの基本的な対策で電気代削減に取り組もう


 

企業が電気代削減のために行うべき対策

企業が電気代削減のために行うべき対策

電気代を少しでも削減したい企業は、以下の5つの節電対策を実施しましょう。

 

  •  従業員へ節電を呼びかける
  • LED電球に変更する
  • 空調利用を最適化する
  • 太陽光発電を導入する
  • 電力会社を見直す

 

従業員への節電の呼びかけ、LED電球への変更、空調利用の最適化など、すぐに始められる簡単な対策で電力使用量を減らすことが可能です。また太陽光発電の導入や、電力会社の見直しなど、既存の電力契約に無駄がないかも確認してください。

次に、資源エネルギー庁の省エネポータルサイトの情報を元にして、企業の電気代削減につながる施策を紹介します。

 

従業員へ節電を呼びかける

まずは照明や空調、OA機器を使用するときのルールを設定し、従業員に節電を呼びかけましょう。

以下の表は、電気代削減につながる基本アクションの例と、それぞれの節電効果をシーズン別にまとめたものです。

 

【夏季】[3]

基本アクション 建物全体に対する節電効果(オフィスビルの場合)
照明 使用していない場所(会議室や廊下など)はなるべく消灯する 3.3%
空調 無理のない範囲で空調の設定温度を上げる
※熱中症に注意してください
4.1%
(26℃から28℃に上げた場合)
使用していない場所はこまめに空調を切る 2.4%
OA機器 長時間離席する場合は、OA機器のスイッチをオフにするか、スタンバイモードに設定する 2.8%

 

【冬季】[4]

基本アクション 建物全体に対する節電効果
(オフィスビルの場合)
照明 使用していない場所(会議室や廊下など)はなるべく消灯する 2.9%
空調 無理のない範囲で空調の設定温度を下げる 3.4%
(22℃から20℃に下げた場合)
使用していない場所はこまめに空調を切る 1.7%
OA機器 長時間離席する場合は、OA機器のスイッチをオフにするか、スタンバイモードに設定する 3.6%

 

ちょっとした行動の積み重ねによって、建物全体に対し、1.7%~4.1%ほどの節電効果を得ることが可能です。従業員の省エネ意識を高めるため、定期的に啓発活動を実施しましょう。

[3]資源エネルギー庁:夏季の省エネ節電メニュー 事業者向けメニュー(本州・四国・九州版)

[4]資源エネルギー庁:冬季の省エネ節電メニュー 事業者向けメニュー(本州・四国・九州版)

 

LED電球に変更する

オフィスや工場に従来型の蛍光灯を設置している場合は、LED電球に変更しましょう。例えば、蛍光灯から直管型LED電球に変更する場合、約50%の節電効果が期待できます。

また可能な範囲で照明を間引きし、設置数を減らすのもおすすめです。オフィスビルを例に挙げると、執務スペースの照明を半数程度に減らした場合、約12.7%の節電効果が見込めます。ただし、労働安全衛生規則に従い、十分な明るさを確保できているか確認してください。

 

空調利用を最適化する

空調をムダに使っていないか、日ごろの利用方法も見直してください。空調利用を最適化するポイントは以下のとおりです。

 

  • フィルターが目詰まりしないようこまめに清掃する
  • 空調運転の妨げにならないよう室外機周辺の障害物を除去する
  • 空調に節電機能(ピークカット、ピークシフトなど)がある場合は使用する
  • 冬場はブラインドやカーテンを閉め、室内の暖気が逃げないようにする

 

太陽光発電を導入する

事業用太陽光発電の導入によって、電気代の削減につながる場合があります。太陽光発電には、発電した電力を全て小売電気事業者に売る「全量売電型」、余剰分の電力のみを売る「余剰売電型」、電力を全て自家消費する「自家消費型」の3種類がありますが、最も省エネ効果が高いとされるのは自家消費型です。

太陽光発電設備の導入には初期投資が必要ですが、中小企業の場合は省エネ補助金をはじめとした制度を利用することが可能な場合もあります。

 

電力会社を見直す

電気代が高いと感じたら、電力会社の見直しも検討しましょう。電力の小売自由化により、特別高圧・高圧・低圧の全ての契約区分で、新電力から電気を購入できるようになりました。大手電力会社が電気料金の値上げを行った今、新電力に切り替えることで、電気代が安くなる可能性があります。

 

電気代削減による企業のメリット

電気代削減による企業のメリット

企業が電気代削減に取り組むメリットは、月々のエネルギーコストが減ることだけではありません。電力使用量を減らすことで、自然環境への配慮や持続可能な経営にもつながります。

ここでは、電気代削減によって企業が得られるメリットを2つ紹介します。

 

  • 環境へ配慮できる
  •  BCP対策につながる

 

環境へ配慮できる

石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料を利用して作られた電気は、燃料を燃やす過程で大量の二酸化炭素を排出します。オフィスや工場で使用する電気を減らすことで、二酸化炭素の排出量を抑制し、地球環境への影響を緩和できます。

 

BCP対策につながる

職場の省エネに取り組むことによって、BCP対策にもつながります。BCP対策とは、火災や自然災害、世界情勢の変化など、事業を継続する上で障害となりうるさまざまなリスクに備えるための取り組みです。燃料価格が高騰し、世界的に燃料の供給不安が沸き起こる今、特に注意したいのが夏の電力不足への対策です。電気代の削減はもちろん、太陽光発電設備の設置など、電力を安定的に確保できるような仕組み作りにも取り組みましょう。

 

電気代削減が必要な理由や重要性

電気代削減が必要な理由や重要性

企業にとって電気代の削減が急務となっている理由は以下の2点です。

 

  •  燃料価格の高騰
  • 激変緩和措置の縮小

 

国際情勢を背景とした燃料価格の高騰に加えて、2024年5月から政府による激変緩和措置の縮小が決まっていることも、電気代削減に取り組むべき理由になっています。

 

燃料価格の高騰

世界情勢の変化によって、石炭、石油、天然ガスなどの燃料価格が高騰しています。2022年のピーク時には、石炭の価格が2022年1月比で2.8倍、原油は1.7倍、液化天然ガス(LNG)も同1.7倍と軒並み輸入価格が上昇しました。[5]

燃料の輸入価格が上昇すると、燃料費調整という仕組みにより、価格上昇分が電気料金に自動的に反映されます。今後も燃料価格の高騰は続くと予想されているため、オフィスや工場の消費電力量を削減し、少しでも電気代の負担を減らす取り組みが必要です。

[5]資源エネルギー庁:2023年6月の電気料金、なぜ値上がりするの?いくらになるの?

 

激変緩和措置の縮小

政府は燃料価格の高騰を受け、電気、ガス、ガソリンの値下げを行う激変緩和措置を実施しました。例えば、電気代は低圧区分で3.5円/kWh、高圧区分で1.8円/kWhが基礎料金から値引きされます。[2]
しかし、2024年5月から激変緩和幅が縮小されることが決まっており、その後も措置が継続されるとは限りません。企業としてできる節電対策に取り組み、今後の燃料価格高騰に備えましょう。

 

【まとめ】5つの基本的な対策で電気代削減に取り組もう

オフィスや工場で使用する電気は、身近な方法で節電できます。
世界的な燃料価格の高騰により、今後も電気料金が上昇し、一般家庭や企業の負担が増加することが懸念されています。
照明・空調・OA機器の使用ルールの設定や、従来型の電球から白熱電球への交換など、簡単にできる節電対策から取り組みましょう。

 

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