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バイオマス発電とは?仕組みや導入メリットを詳しく紹介


バイオマス発電とは?仕組みや導入メリットを詳しく紹介

バイオマス発電は再生可能エネルギーの一つで、動植物に由来する生物資源を再利用し、クリーンな電力を発電します。廃棄物の再利用を促進することで循環型社会構築に寄与できるため、国際的に注目が集まってきています。

丸紅グループでは、北海道や愛知県でバイオマス発電所を運営し、2023年4月時点で合計160MW(メガワット)のバイオマス発電を行っています。

本記事では、バイオマス発電の仕組みや、導入するメリット・デメリットを解説します。

 

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<目次>

1.バイオマス発電とは?

2.バイオマス発電を導入するメリット

3.バイオマス発電を導入するデメリット

4.まとめ


 

バイオマス発電とは?

バイオマス発電とは?

そもそもバイオマスとは、「動植物などから生まれた生物資源」を指す言葉です。[1]

バイオマス発電では、さまざまな種類のバイオマスを回収し、直接燃焼したり、ガス化(メタンガスなど)したりして発電に利用しています。

主なバイオマスの種類は、家畜の排泄物、もみを取った後の稲わら、樹木を伐採した後で放置された林地残材などです。近年は廃棄物の再利用の観点から、生ゴミや食品加工廃棄物などのバイオマスを利用している発電所もあります。[1]

 

バイオマスの分類
木質系 林地残材、製材廃材
食品産業系 食品加工廃棄物、水産加工残渣
製紙工場系 黒液・廃材、セルロース(古紙)
農業・畜産 農業残渣(稲わら、トウモロコシ残渣、もみ殻、麦わら、バガス)、家畜排泄物(鶏ふん)、糖・でんぷん、甘藷(かんしょ)、菜種、パーム油(やし)
建築廃材系 建築廃材
生活系 下水汚泥、し尿、厨芥(ちゅうかい)ごみ、産業食用油

[1]資源エネルギー庁「バイオマス発電」

 

バイオマス発電の仕組み

バイオマス発電の仕組みは大きく3つに分けられます。

 

直接燃焼方式 バイオマスをボイラーで直接燃焼させ、蒸気によってタービンを回転させる発電方法。発電効率を高めるため大型の発電所で採用される傾向にあり、主に木質系のバイオマスや可燃ごみ、廃油など、よく燃えるバイオマスが利用される。
熱分解ガス化方式 バイオマスを高温で熱処理し、ガス化してタービンを回転させる発電方法。発電効率が比較的高いため、中小規模の発電所でも採用される。木質系のバイオマスの他、食品加工廃棄物が熱分解ガス化方式に適している。。
生物化学的ガス化方式 バイオマスを発酵させ、メタンガスなどのガスを生み出す発電方法。家畜排泄物や下水汚泥など、燃焼させるのが難しいバイオマスに適している。

 

なお、バイオマス発電は燃焼時に二酸化炭素を排出しますが、京都議定書では、バイオマス発電に使われる燃料は、植物が光合成で吸収した二酸化炭素と相殺されるとして、排出量としてカウントされません。そのため、バイオマス発電はクリーンなエネルギーの一つとされています。
※バイオマスの燃焼・焼却や埋め立てが、長期的なバイオマス資源の減少をもたらしていると判断された場合には、カウントされます。

 

バイオマス発電を導入するメリット

バイオマス発電を導入するメリット

近年、使用電力の一部をバイオマス発電などの再生可能エネルギーに切り替える企業が増えてきました。バイオマス発電を導入するメリットを3つ紹介します。

 

発電量が安定している

バイオマス発電は太陽光発電や風力発電と違って、天候に左右されません。発電量が比較的安定しているため、常に一定の電力供給を見込むことができます。需要家(企業)からすると電力供給の不安定さを解消し、企業活動の安定化に貢献できるため、バイオマス発電由来の電力を使用することも一つの選択肢であるといえます。

また、バイオマス燃料を貯蔵することや発電した際に発生する熱エネルギーを融塩蓄熱や潜熱蓄熱などの方法で蓄熱することで、電力需要に合わせて発電量を調整することができます。

そのため、バイオマス発電はメーカーや製造業の工場など、安定した電力供給が求められる企業に適しています。

 

循環型社会へ寄与できる

バイオマス発電を推進すると、さまざまな廃棄物をエネルギーとして再利用できます。そのため、循環型社会(=天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会)の実現に大きく寄与します。[2]

循環型社会を推進するメリットは、環境負荷を軽減し、社会の持続可能性(サステナビリティ)を高めることだけではなく、企業にとって大きなビジネスチャンスでもあります。

[2]環境省「循環型社会への新たな挑戦」

 

対外的なアピールにつながる

2016年にパリ協定が発効してから、グローバル企業を中心として再生可能エネルギーを利用する動きが強まりました。パリ協定の目標達成を目指すSBTや、使用電力の100%を再エネ電力に置き換えるRE100など、国際的な枠組み(=国際イニシアティブ)も生まれています。

バイオマス燃料をはじめとした再生可能エネルギーを利用することは、SBTやRE100の実現に貢献し、ESG投資家からの評価向上や、消費者からの支持獲得など企業イメージの向上につながります。近年、SBTの目標達成やRE100に加盟する取引先企業から、再生可能エネルギーへの切り替えを求められるケースも見られます。

再生可能エネルギーへの移行が遅れると、脱炭素経営に取り組む企業との取引機会の喪失につながるリスクもあります。

 

バイオマス発電を導入するデメリット

バイオマス発電を導入するデメリット

一方、バイオマス発電には課題もあります。需要家(企業)の目線から、バイオマス発電で発電された電力を利用するデメリットを2つ紹介します。

 

発電コストが高い

再生可能エネルギーの中でも、バイオマス発電は発電コストが比較的高い方法です。発電コストが電力料金に転嫁されることで、他の再生可能エネルギーよりも価格が割高に感じられる可能性があります。

特に木質バイオマス発電は、間伐材などの燃料を収集したり運搬したりする手間や、木材チップ(より燃焼しやすい形状)などに加工する手間がかかるため、発電コストが高くなっています。

バイオマス発電による電力を購入するときは、発電量の安定性や環境へのやさしさだけでなく、費用対効果にも着目してください。

資源エネルギー庁:買取価格・期間等(2023年度以降)

 

燃料の安定供給に懸念がある

バイオマス発電についてのもう一つの懸念は、燃料の持続可能性に関する問題です。バイオマス発電に由来する電力を長期に渡って調達する場合、将来的に燃料の安定供給が困難になり、電力不足に直面するリスクがあります。

バイオマス発電の燃料となる生物資源は、発電以外にも利用されています。特に木質バイオマス発電に欠かせない木材資源は、エネルギー利用だけでなく、製品の原材料としても利用(=マテリアル利用)されています。

 

生物資源の利用方法 特徴
エネルギー利用 木質チップや木質ペレット、薪などに加工し、バイオマス発電や熱供給事業に利用する
マテリアル利用 紙パルプや木質ボードなどに加工し、製紙原料や建築材料として利用する

 

バイオマス発電には、主にマテリアル利用に適さない木材資源が優先的に利用されていますが、今後の木材資源の需給バランスによっては、燃料が不足することが懸念されます。実際に木質バイオマス燃料の7割以上は、国外の輸入材に依存しており、燃料の安定供給/持続可能性という点で課題があります。

このように、使用している電力をバイオマス発電などの再生可能エネルギーに置き換えれば、循環型社会の実現に貢献し、企業イメージアップにつながりますが、バイオマス発電にはメリットだけでなく、コスト上の問題や持続可能性の問題があることも改めて認識しておくことが大切です。

バイオマス発電による再生可能エネルギーを安定して利用したい場合は、自家発電ではなく、発電事業者から直接購入するコーポレートPPAなどの方法もあるため、各発電事業者・小売電気事業者へ問合せてから検討することをお勧めします。

 

まとめ

バイオマス発電とは、動植物由来の廃棄物を燃焼またはガス化し、電気エネルギーを発生させる方法です。バイオマス発電は再生可能エネルギーの一つとされ、循環型社会の実現に大きく寄与しています。

使用電力をバイオマス発電などの再生可能エネルギーに置き換えれば、企業イメージを高め、対外的なアピールにつながります。特にSBTの目標達成やRE100への加盟など、環境イニシアティブへの参加を検討している企業は、バイオマス発電の仕組みや導入メリットについて知っておくことが大切です。

 

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